北名古屋市のみなさんこんにちは。
街の屋根やさん春日井市店です。

本日は、物流倉庫の屋根塗装現地調査の様子をご紹介します。
倉庫や工場などの大規模建物では、屋根からの雨漏りが業務に大きく影響するため、
定期的なメンテナンスがとても大切です。

現地調査の様子：錆が広がる折板屋根

今回の現場は、築年数の経過した大規模な物流倉庫。
折板屋根とは、金属板を波形に折り曲げて強度を高めた屋根材で、
耐久性・施工性・軽量性に優れるため、工場や倉庫に多く採用されています。

しかし金属製のため、定期的な塗装による防錆メンテナンスが欠かせません。
こちらの倉庫は一度も塗装歴がない状態で、
屋根全体に赤錆が広がっていました。

このまま放置すると、
錆が進行し「穴あき」や「雨漏り」へと発展する可能性があります。

篏合（かんごう）タイプの折板屋根とは

こちらの屋根は篏合（かんごう）タイプの折板屋根。
ボルトが屋根表面に出ない構造のため、雨漏りしにくく見た目もスッキリしています。
ボルトキャップが不要でメンテナンス性も良好ですが、
錆びやすい部分（接合部やハゼ部）は特に注意が必要です。

折板屋根のメンテナンス周期はおおよそ15年が目安。
今回のように未塗装期間が長い場合、次の手順で施工します。

最も重要な工程です。
ワイヤーブラシやマジックロンで錆・旧塗膜を完全に除去します。
この処理が不十分だと、新しい塗料の密着性が悪く、早期剥離の原因になります。

鉄部専用のエポキシ系錆止め塗料を塗布。
現場状況により「1液型」「2液型」を使い分け、
錆の再発を防ぎます。

標準はシリコン系塗料。
倉庫では「遮熱塗料」を使用することで、夏場の室内温度上昇を抑える効果もあります。
太陽光の反射率が高いため、省エネ・環境対策にもおすすめです。

金属屋根の錆は「目に見えない裏面」からも進行します。
塗膜が剥がれ、鉄板が酸化すると腐食穴→雨漏り→下地腐朽へと連鎖。
倉庫や工場では商品や機材の被害にもつながるため、
早期メンテナンスがコスト削減の鍵となります。

折板屋根は塗装だけで長持ちしますか？

定期的に塗装していれば20年以上使用できます。　錆が進行して穴が開いている場合は、部分張替えやカバー工法が必要です。

遮熱塗料の効果は本当にあるの？

屋根表面温度を最大10〜15℃程度低減でき、室内温度も下がります。　電気代削減や作業環境改善にも効果的です。

雨漏り中でも塗装はできますか？

いいえ。雨漏りの原因が錆穴や下地劣化の場合は、まず補修が必要です。　塗装だけでは一時的にしか止まりません。

工事期間はどれくらい？

倉庫の規模にもよりますが、500㎡程度で約5〜7日間です。　天候や塗料の乾燥時間により前後します。

工場を稼働しながら施工できますか？

可能です。　塗装工事は外部で行うため、操業を止めずに施工できます。　安全対策・臭気対策も徹底しています。

用語	やさしい説明
折板屋根（せっぱんやね）	金属板を波型に折り曲げた屋根材。倉庫・工場で多用。強度と耐風性に優れる。
篏合（かんごう）タイプ	ボルトが露出しない折板屋根の構造。雨漏りしにくく外観がすっきり。
ケレン作業	錆・旧塗膜を除去する下地処理。塗装の密着性を高める最重要工程。
錆止め塗料	鉄部の腐食を防ぐための下塗り塗料。エポキシ樹脂系が主流。
遮熱塗料	太陽光を反射して屋根表面温度を下げる塗料。省エネ・快適性向上に有効。
折板屋根カバー工法	既存折板屋根の上に新しい金属屋根を被せるリフォーム工法。解体不要で工期短縮。