
2025.09.07
瓦屋根の点検依頼をいただきました。 稲沢市でも「うちの瓦屋根は大丈夫かな?」と心配される方は多く、特に漆喰の劣化や瓦のズレは気づかないうちに進んでしまうことがあります。今回のお客様も、ご近所で瓦屋根のメンテナンスをされた方の話を聞いて、「自分の家も点検しておいた方が安心だ」と思わ…

雨漏りして室内の天井にシミが出来ていました
建物:木造戸建て、築43年、1階屋根の棟部で雨漏りの兆候あり。
症状:棟下からの雨染み、小屋裏検査での雨跡。棟瓦のズレ・目地(葺き土)の崩れが確認できる状態。
下地:既存の葺き土は風化・流出が始まっており、防水性が低下。棟内部の下地(桟木・垂木・貫)に腐食の兆しがないか念入りに調査しました(今回大きな腐食は見られませんでしたが、一部補強が必要な箇所を処置)。
現場での初動調査は、必ず屋根の全面確認・小屋裏点検を行い、雨漏りの原因が棟だけかどうかを判別することが重要です。
既存棟瓦の撤去
棟瓦を一列ずつ慎重に外し、瓦の状態(再利用可能か)を確認。割れているものは廃棄、良好な瓦は再使用可能な場合は洗浄保管。
葺き土(古い漆喰・下葺土)の撤去
長年の葺き土を完全に取り除き、棟内部まで清掃。古い葺き土は風化しており、防水機能は期待できません。
下地の点検・補修
桟木(さんぎ)や貫(ぬき)、隅棟の下地材を点検。腐食・スカスカの部分があれば交換または補強を実施。本現場は一部補強で対応しました。
モルロックによる積み直し(新たな棟下地)
モルロック(改良モルタル材)を用いて棟の新規積み直しを行います。モルロックは適度な粘度と強度があり、瓦との密着性が高く、従来の葺き土より劣化しにくい特長があります。混合(水との割合)や打設厚さを職人が管理して施工。乾燥養生期間を確保して強度を出します。
棟瓦の復旧(固定)
モルロックが所定強度になった後、棟瓦を丁寧に被せていき、瓦どうしの納め、面の美しさを調整。必要に応じて専用固定金物やステンレスビスを併用し、瓦の飛散防止を確保します。
仕上げ・清掃
目視での最終チェック、雨仕舞確認、周辺清掃を行い作業完了。
モルロックは改良モルタル系の下地材で、従来の葺き土(粘土系)と比べて風化に強く、固化後の強度が高いため棟の安定に優れます。
葺き土は素材自体が流出・風化してしまうことがあり、長期的な耐久性に課題が生じます。モルロックはそれらの欠点を解消し、雨仕舞(あまじまい)を長く保つ目的で選定することが多いです。
ただしモルタルは硬化後にヒビ割れが起きる可能性もあるため、施工時の厚み管理・収縮対策(ワイヤーメッシュ併用や適切な配合・養生)が重要です。
下地の確認を怠らない:棟は屋根の要。下地に腐食があると短期で再発します。必ず小屋裏からの点検も実施。
施工時の気温・湿度管理:モルタル系は乾燥条件で強度が左右されるため、適切な養生が必要。真夏や真冬の施工は配合・養生管理が重要。
瓦の再利用可否判断:割れや吸水で劣化した瓦は再使用不可。見た目だけでなく強度を確認。
漆喰との使い分け:地域や屋根形状によっては、モルロック+漆喰の併用や、ステンレス金具との併用が有効。
通気と温度差:棟部に通気を確保する場合は、施工計画段階で換気口の確保と雨仕舞の両立を検討。
適切に施工されたモルロック積み直しの棟は、10〜20年程度を目安に雨仕舞が持続することが多いです(施工品質・気候条件により差あり)。
年1回の目視点検(棟瓦のズレ、目地の割れ、瓦の浮き)を推奨。雨漏りの兆候(雨染み、小屋裏のシミ)を見つけたら早めの点検を。
Q1:葺き土のまま補修してはいけないの?
A:葺き土は伝統的な工法ですが、風化や流出が起きやすく、再発リスクが高い場合があります。長期的に見てメンテナンス頻度を減らしたい場合はモルタル系(モルロック等)をおすすめします。
Q2:費用はどれくらい?
A:棟の長さ、棟の高さ、下地の状態(補修が必要かどうか)、使用材料で変動します。簡易な積み直しであれば概算見積りで対応可能ですので、現地調査のうえ詳細見積をご提示します(まずは無料調査をご相談ください)。
Q3:工事期間は?
A:一般的な住宅で1日〜数日(乾燥養生を含めると数日〜1週間程度)です。天候や下地補修の範囲により変動します。
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